ブログ国際化事業部からのお知らせ

東日本大震災10年 SenTIAの「多文化防災」の取り組み

2021年3月11日で、東日本大震災から10年を迎えました。
SenTIAは震災時の活動で得た経験や教訓を生かし、様々な取り組みを進めてきました。
この10年で新たに実施してきた防災事業についてご紹介します。

 

1.「多文化防災」の協働モデルづくり報告書 (2012年)


震災の翌年2012年に発行した、仙台国際交流協会(現 仙台観光国際協会)や仙台市の取り組みについて検証した報告書です。地域防災の担い手、外国人住民、研究者、行政等とともに行った研究会、2011年中に実施した外国人コミュニティや関係者へのヒアリング、2012年2月に開催したシンポジウムなどの記録を掲載しています。

報告書はSenTIAホームページからダウンロードできます。
http://int.sentia-sendai.jp/j/life/bousai.html#report

 

2.多言語防災ビデオ「地震!その時どうする?」(2012年)


震災の翌年2012年に、仙台で暮らす外国人市民や留学生とともに制作。
翌年2013年には言語を追加した第2版を発表し、全12言語で地震に対する備え、発生した場合の対応を学ぶことが出来ます。作成したビデオは、市内の留学生や外国人受入機関等に配布、周知。
SenTIAでは、外国人住民が参加する防災教室や、来日したばかりの外国人への生活オリエンテーションなどで使用しています。


震災を体験した外国人市民や留学生ともに制作

[言語]日本語、中国語、英語、韓国語、ベトナム語、ネパール語、インドネシア語、台湾語、タガログ語、ベンガル語、ポルトガル語、モンゴル語 (いずれも音声と字幕)
[時間]Part 1 地震に備えよう 10分、Part 2 地震が起こったら 10分

ビデオはYouTubeでご覧いただけます。
http://int.sentia-sendai.jp/j/life/bousai.html#videos

 

3.多言語防災パンフレット「地震から身を守るためのアドバイス」(2012年)


震災の翌年2012年に、4言語で作成。
2014年には言語を追加し、全11言語となりました。地震について知識や経験のない外国人住民向けに、イラストを用いて分かりやすく説明しています。SenTIAでは、地域の防災訓練や留学生への生活オリエンテーションなどで広く配布しています。


パンフレットを読む来日したばかりの留学生

[言語]日本語、英語、中国語、韓国語、ベトナム語、ネパール語、インドネシア語、台湾語、タガログ語、ベンガル語、ポルトガル語、モンゴル語
[仕様]カラー、全8ページ

パンフレットはSenTIAホームページからダウンロードできます。
http://int.sentia-sendai.jp/j/life/bousai.html#pamphlet

 

4.『東日本大震災からの学び~大災害時、県・政令市の地域国際化協会の協働と補完を再考する~』(2015年)



2015年に発行。J.F.モリス(宮城学院女子大学)、宮城県国際化協会と共に東日本大震災を振り返ってまとめた冊子です。
第三章「都市型地域における外国人被災者支援」では、2011年3月11日の発災から半年までのSenTIA(当時SIRA)の震災時の動きをまとめています。

[目次]
第一章 災害と外国人支援 J.F.モリス(宮城学院女子大学)
第二章 誌上座談会 震災後、初めて語り合ったMIA、SIRAそれぞれの経験
第三章 MIA、SIRA それぞれの外国人被災者支援活動
第四章 自治体、地域日本語教室 それぞれの外国人被災者支援活動
第五章 東日本大震災から私が学んだこと、日本に暮らす海外出身者に伝えたいこと

冊子は、SenTIAホームページからダウンロードできます。
http://int.sentia-sendai.jp/j/activity/311report_index.html

 

5.多文化防災ワークショップ―防災を通じて多文化共生について考えよう―(2015年)



2015年に作成した、避難所の中で起こる「日本人」と「外国人」の間の問題をテーマとしたワークショップ教材です。
震災時に市内の避難所で実際に起こった事例を元に、外国人住民や町内会関係者などと一緒に作りました。言葉や文化・宗教、情報などをテーマに、4つのケーススタディがあります。SenTIAでは、市内で行うイベントやセミナー等でワークショップを行っています。また毎年全国から問合せがあり、各地の多文化共生や防災の取り組みで活用されています。


2015年3月に開催された第3回国連防災世界会議の関連イベントで初披露

[対象]小学生くらいから
[人数]5人以上
[時間]1つのケーススタディにつき、40~60分間

教材の提供、講師の派遣も行っています。
詳しくはSenTIAホームページをご覧ください。
http://int.sentia-sendai.jp/j/activity/tabunka_bousai_workshop.html

 

6.リーフレット「防災訓練のポイント」(2016年)


2016年に6言語で作成。
日本の防災訓練で行われる消火訓練や通報訓練、救急救命訓練などの内容を、多言語で説明する資料です。
外国人住民にはわかりにくいポイントについて、イラストを交えて分かりやすく説明しています。SenTIAでは、「仙台市災害時言語ボランティア」などが、地域で通訳支援などをする際の補助資料としても活用しています。


日本語教室で開催した救命救急講座で、資料として配布

[言語]日本語、英語、韓国語、中国語、ネパール語、ベトナム語
[内容]計8ページ 「地震体験車」「消火訓練」「通報訓練」「救急救命訓練」など

リーフレットはSenTIAホームページからダウンロードできます。
http://int.sentia-sendai.jp/j/life/bousai.html#leaflet

 

7.消防署での外国人対応訓練(2017年~)



仙台市消防局に協力し2017年から毎年実施している、消防隊員・救急隊員向け訓練です。
消防・救急の外国人対応件数は年々増加しており、現場では外国人とのコミュニケーションに苦慮するケースが出ています。災害時にも同様のことが想定されます。

2017年に外国人人口が多い青葉消防署 国見出張所で初開催。翌年から対象が拡大し、現在は各区の指令課職員が参加する訓練となっています。日本語が不自由な外国人役を相手に、英語や「やさしい日本語」、通訳コールセンター、翻訳アプリ等を使って、火災現場や救急搬送を想定したコミュニケーション訓練を行います。

2018年の訓練の様子(SenTIA Facebook)
https://www.facebook.com/sendai.sira/posts/1942031472509742

 

8.外国人防災リーダー育成研修(2020年)


2020年に実施した防災人材の育成事業です。仙台在住の外国人住民22名が、「せんだい外国人防災リーダー」として認定されています(2021年3月現在)。研修では、津波被害にあった荒浜地区等の視察や、指定避難所となる市内の小学校の見学、町内会の人たちとのワークショップなどを行いました。リーダーたちは、それぞれが暮らす地域の防災活動に貢献することが期待されています。


近年増加している水害被害の現場視察や、避難所になる小学校の見学なども実施

研修の様子は、SenTIAブログでご覧いただけます。
2020年度第1回
http://int.sentia-sendai.jp/blog/j/j-9958/
2020年度第2回
http://int.sentia-sendai.jp/blog/j/j-10510/

 

9.防災ラジオ番組「GLOBAL TALK」(2005年~)


在仙のFMラジオ局 Date fm(エフエム仙台)に協力して放送している防災ラジオ番組。
震災前の2005年から続く長寿番組です。Date fmの防災・減災プロデューサー 板橋 恵子さんが、毎月第2日曜日、在仙の外国人住民に災害をテーマに話を聞きます。震災後は、外国人住民がそれぞれの被災体験を語る場にもなりました。

震災後、SenTIAはDate fmと正式に災害時の協定を結び、大規模災害時はラジオでの多言語情報発信も行っています。



これまで出演したゲストは180名以上

Date fm エフエム仙台(仙台/77.1MHz)
番組名:GLOBAL TALK(グローバルトーク)
放送日:毎月第2日曜日
※防災ラジオ番組“Sunday Morning Wave”内のコーナー

過去の放送は、Date fmホームページから、podcastで聴くことができます。
http://www.datefm.jp/bousai/