【報告】仙台市消防局で2024年度外国人対応研修を行いました
2024年11月8日(金)仙台市消防局で、指令課隊員を対象とした外国人対応研修を行いました。
指令課隊員は、市内からの119番通報の受付を担当しています。
近年は、日本語が不自由な外国人住民からの通報も増えていて、対応が困難なケースもあります。そこで2021年からSenTIAが協力し、毎年本研修を実施しています。今回は多くの「せんだい外国人防災リーダー」が外国人役として参加しました。
研修では初めに「やさしい日本語」の基本を学びます。一文は短くし、外国人にとって難しい言葉は簡単なものに言い換えます。曖昧な表現は避け、語尾は「です・ます」調にするなど、「やさしくする」ポイントがいくつかあります。
例えば「逃げ遅れた人」は「まだ部屋にいる人」、「持病」は「ずっと持っている病気」、「嘔吐」は「気持ち悪くなって、食べ物が口から出る」など、簡単な言葉を使って伝えます。
次に行うのは多言語通訳サービスの利用訓練。
仙台市消防局では、三者間通話の通訳サービスを利用し、17言語の119番通報に対応しています。
(仙台市)119番通報の多言語対応について
訓練の想定は、市内で増えているネパール人から通報。
ネパール出身の協力者に通報役と通訳業者役を担当してもらい、火災と救急の場面での模擬訓練を行いました。指令課隊員は初めに、何語のサービスが必要か通報者から聞き出します。
そして今回のメイン訓練である、「やさしい日本語」を使った119番対応訓練。
通報者は「やさしい日本語なら会話可能な外国人」という設定です。隊員の皆さんは、火災現場の住所や通報者のけがの状況について、やさしい日本語を使って聞き取りを試みます。1ターン実施後は振り返りタイム。外国人協力者から「この言葉がわかりにくい」「こういう表現だと外国人は理解できる」などコメントをもらい、同じシナリオで2ターン目に挑戦。より良い対応を目指します。
最後のターンは、背中合わせで座って電話に近い状態での訓練。身振り手振りのジェスチャーなどが使えなくなり、難易度が上がります。
119番訓練後はみんなで意見交換。
外国人協力者からは難しい日本語単語や表現などの話があり、隊員の皆さんからは「住所は119番通報で一番大事な情報なので、外国人の皆さんも日本語で言えるようになって欲しい」と言った話があるなど、双方にとって有意義な時間となりました。
研修終了後は、外国人協力者が会場と同じ建物にある消防指令センターを見学。
防災リーダーのBさんからは「外国人住民の一人として、消防局が外国人を意識した研修を実施してくれることに感謝したい」とのコメントがありました。
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SenTIAでは、外国人住民への防災啓発や、関係機関と連携して災害時の外国人支援体制の整備に取り組んでいます。
「多文化防災」の取り組みについては、下記のページをご覧ください。
(SenTIAウェブサイト)多文化防災 災害に備える
また仙台市は、大規模災害時に「仙台市災害多言語支援センター」を設置します。
センターはSenTIAが運営し、外国人被災者に必要な情報を外国語でお知らせし、外国語での相談に対応します。
「仙台市災害多言語支援センター」については、下記のページをご覧ください。
(SenTIAウェブサイト)仙台市災害多言語支援センター