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SenCUL相談員が語る「日本に来て驚いた生活マナー」(『仙台多文化共生センターだより2026 Vol.1』から)

仙台に住む外国人向けに多言語で生活に役立つ情報を紹介している『仙台多文化共生センターだより』では、SenCULの外国語相談員たちが毎号のテーマにまつわる経験や考えを、それぞれの言語で掲載しています。

今回のテーマは「日本に来て驚いた日本の生活マナー」(国が変われば『当たり前』も変わる?)。日本在住が長い相談員たちも、来日時は様々なカルチャーショックがあったようです。
今回は特別に、本紙掲載記事を日本語訳で紹介します。
日本人相談員は、初めて海外で過ごしたときの経験を書きました。
ぜひご覧ください!

【英語】相談員H(イギリス出身)
家以外でも靴を脱ぐとは思わなかった!

日本に引っ越してから、色々な生活マナーがたくさんあることを知ってびっくりしました。他の国と比較して、イギリスと日本は似ている点がたくさんありますが、これまで度々カルチャーショックを経験し、まだ慣れなければいけないことが多くあります。

例えば、イギリスにもリサイクルの制度があるものの、日本のごみの分別の仕方は非常に複雑なため、とても分かりにくかったです。留学で東京に住んでいたことがありますが、例えば指定のごみ袋を使わないといけないこと等、仙台のルールに慣れなければいけませんでした。でも、仙台市とSenTIAが提供している情報と資料のおかげで、早く理解できました。

他にびっくりした日本のマナーは、建物に入る時に靴を脱ぐということです。家やアパートに入るときに靴を脱ぐのは普通だとは知っていましたが、母国と違って、店の更衣室や伝統的なレストラン、ジムのような場所でも靴を脱ぐということに驚きました。

日本の生活マナーやエチケットは違う点が多く、外国人にとって最初はとても理解が難しいかもしれません。しかし、日本で生活する中ですぐに吸収して慣れていき、これらのことを理解していくでしょう。自分のベストを尽くしてみて、もし間違っても心配しないでくださいね。

 

【中国語・簡体字】相談員I(中国出身)
「音」の捉え方の違いに、カルチャーショック

日本に来て最初に受けたカルチャーショックは「音」でした。
日本で生活するうちに、次第に文化によって音の捉え方やその意味付けが大きく異なることに気づきました。

来日当時、大学の研究室は10階にあり、毎朝エレベーターを利用していました。
ぎゅうぎゅう詰めにもかかわらず、誰一人話をせず、物音一つしません。その静かさは、来日したばかりの私にはとても不思議でした。あまりの張り詰めた空気に耐えられず、途中階で降りて階段を使うこともありました。中国ではエレベーターや公共交通機関の中でも、人々は自然に会話を交わします。その日のニュースから、プライベートな話まで、さまざまな会話が耳に入ってきます。そうした賑やかさは生活の一部として受け入れられています。

日本では、「音」は勝手に相手へ届くので、公共空間において他者に配慮し、静かに振る舞うことが基本的なマナーであり、たてる「音」にも気を遣います。そのような意識のもと、個室に設置されている「音姫」が作られたのでしょう。

一方で、日本では、食事中は静かにすることがマナーとされますが、蕎麦を「すする音」は許容されています。
この点に興味を持ち調べたところ、それは香りやのど越しを楽しみ、美味しさや蕎麦職人への敬意を含む文化的表現だと知りました。「音」にも場面ごとの意味や役割があったのです。

国や文化が違えば、マナーや生活習慣も異なり、時に戸惑いや誤解を生みます。しかし、その背景を知ろうとする気持ちがあれば、違いは壁ではなく、新たな発見や学びへと変わります。国が違っても、文化が異なっても、互いを尊重し理解しようとする姿勢があれば、真の多文化共生社会になるのではないでしょうか。

 

【中国語・繁体字】相談員L(台湾出身)
自然にできるきれいな行列にびっくり

私は日本に来て驚いた日本の生活マナーは主に三つあります。
一つ目は日本の住宅街では夜21時以降になると、とても静かになることです。台湾では夜遅くまでバイクの音とか会話の声とかが聞こえますが、日本では本当に人が住んでいるのかと思うほど静かです。ですので、夜になると大きな声を出さないように心掛けています。

二つ目はごみの出し方についてです。台湾ではゴミ収集車が決まった時間に町中を回り、自分で直接ゴミを収集車に積み込みます。みんながゴミ収集車を追いかける風景は日常的ですが、日本ではゴミ収集所へ出します。清掃員の方がごみを収集車に積み込んでくれます。また、来る時間が早いため、朝8時半までに出したほうがいいです。台湾では生ごみの回収をしていますが、日本では燃えるゴミとして出せるので楽です。そして台湾では粗大ゴミが無料で捨てられますが、日本では粗大ゴミは有料で、事前の申し込みも必要です。

三つ目は、いつも先に並んだ人から自然にきれいな一列になることです。台湾も行列に並びますが、日本では特にラインが引かれているわけではないところでも、例えばバス停などでは自然に長い行列になることがよく見られます。行列に空きができても、割り込むことはなく、前の人が進むまで催促せずにちゃんと待っています。

このような違いを知ることで、これからも日本で気持ちよく生活していきたいと思います。

 

【韓国語】相談員Y(韓国出身)
一番びっくりしたのは、ご飯を残さず食べるマナー

韓国と日本は近い国ですが、意外と違うところがたくさんあります。生活マナーもその一つで、韓国と異なるマナーがあるので、初めて日本に来た方々は驚くことがよくあります。

私が日本に来て一番びっくりした日本のマナーはご飯を残さず食べることです。韓国では皆で料理をシェアする場合が多いので、責任を持って残さず全部食べることはあまり考えません。食べたい料理を食べたい量だけ食べる習慣に慣れていた私は最初、このマナーを守るのがけっこう大変でした。今は慣れてきたのでお店で注文するとき、自分が食べられる分だけ注文しています。

二つ目は、日本では公共交通機関を利用する際、携帯電話での通話をしないことです。韓国ではバス・電車などで携帯で電話する人をよく見かけますが、日本では通話を避けているのはもちろん、携帯電話も外では基本的にマナーモードにしておく人が多いです。

他にも靴を脱いで中に入るときは靴を外向きに置いて入る、お箸同士でおかずなどを渡さないなどの日本のマナーがあります。

韓国と異なる日本の生活マナーを覚えておくと日本での生活がもう少し楽しくなるかもしれません。マナーの違いを理解して、マナーを守りながら日本での生活を満喫しましょう。

 

【ベトナム語】相談員C(ベトナム出身)
街をきれいに保つマナーと習慣に驚かされた

日本に来てから、さまざまな生活マナーを身につけてきましたが、その中でも特に印象に残っているのが、日本人が公共の場を清潔に保つ姿勢です。ゴミ箱が少ないにもかかわらず、道端にごみを捨てる人がほとんどいないことに驚かされました。

ベトナムでは、早朝から深夜まで清掃員の方々が街を掃除しており、その働きによって街の清潔さが保たれています。もし清掃員がいなければ、すぐにごみが溢れてしまうでしょう。だからこそ、日本に来たばかりの頃、清掃員の姿をほとんど見かけないのに、街も駅も公園も常にきれいなことに強い衝撃を受けました。

次第に、この清潔さは清掃員の力ではなく、一人ひとりのマナー意識と習慣によって支えられているのだと理解しました。日本では「自分のごみは持ち帰る」という暗黙のルールが徹底されており、公共のごみ箱が少なくても問題になりません。最初は不便に感じたものの、周囲の人々が自然に実践している姿を見ているうちに、私自身もその習慣に慣れていきました。

帰省のたびに、道端にごみが捨てられている光景を見ると、少し悲しい気持ちになります。日本のように公共の場をきれいに保つ意識が、少しずつでもベトナムに広がってほしいと願っています。マナーを大切にする人が増えれば、いつかベトナムの街も自然に清潔さを保てるようになると信じています。

 

【ネパール語】相談員B(ネパール出身)
ごみの処分方法の違いに戸惑った

日本に来て生活するうちに、自分の国と日本との間には物価など多くの違いがあることに気づきました。中でもごみの捨て方にとても驚きました。母国ではごみ袋、場所、曜日は指定されていません。

都市部と農村部では、ゴミの処分方法も異なります。都市部では、ゴミは週に1~3回収集され、指定のゴミ袋もなく分別する必要もありませんが、ゴミを捨てるのに月々料金を支払う必要があり、支払わないとゴミを回収してもらえません。しかし、農村部では人々は自分たちの家のごみは自分たちで処分方法を考えて、穴を掘ってゴミを捨て、プラスチックごみを燃やしたりします。

私は最初、どのゴミをどの袋に入れて何曜日に捨てればいいのか分からなかったので、知り合いやママ友に聞いてごみを集積場に置きました。最近、私の国でも、ごみの分別とリサイクルに関する政策が考えられています。

また、母国では自転車のルールや自転車保険制度は特になく、二人乗りや横並びで自転車に乗るため、日本の自転車のルールの厳しさに驚きました。

日本に来ている外国の方たちも、違う場所、知らないルールやマナーで、困っている人もいると思います。そういう時は、周りの知り合いや相談できる人に事前に相談して、安心して生活して欲しいと思います。

 

【日本語】相談員I(日本出身)
マナーの違いも、新しい価値観を知る楽しさに

私はこれまで旅行や留学でアメリカと中国を訪れ、マナーの違いを体験しました。

子どもの頃にホームステイしたアメリカでは、家の中でも靴を脱がない習慣に驚きました。玄関らしい空間がなく、ホストファミリーも靴のまま生活していたため、私も「郷に入っては郷に従え」の気持ちでそれに従いましたが、靴を脱がないことにはずっと抵抗を感じていました。靴を脱がない理由を尋ねると、「乾燥した気候で靴が汚れにくいから」と説明され、気候と生活習慣の結びつきを実感しました。今はアメリカでも靴を脱いで家に入るところが増えていると聞きます。

成人後に訪れた中国では、食事を少し残す文化が印象的でした。これは「食べきれないほどの食事を出してもてなしてくれた」という感謝を示す表現だと聞きました。日本では「出されたものは残さず食べる」と教えられるため最初は戸惑いましたが、相手への敬意を示す別の方法だと理解できました。現在は中国でも、フードロス削減の考え方等と共に徐々に「残さず食べる」ことが推奨されていると聞きます。

この二つの経験から学んだのは、マナーや常識には絶対的な正解があるわけではないということです。
「相手を大切にしたい」という気持ちの表現方法も国によって大きく異なります。また、時代と共にマナーや考え方も変わっていきます。異文化に触れることは驚きの連続ですが、だからこそ新しい価値観を知る楽しさがあると感じています。

(本紙はこちら)
> 仙台多文化共生センターだより2026年度Vol.1