ブログ国際化事業部からのお知らせ

【報告】仙台防災未来フォーラム2025に参加しました

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こんにちは。国際化事業部 防災担当のOです。
2025年3月8日に、仙台国際センターで「仙台防災未来フォーラム2025」が開催されました。SenTIAも、宮城県国際化協会(MIA)と一緒に、多文化防災について発表しましたよ。今年は、「地域や民間の視点」ということで、新聞の河北新報社と、デパートの藤崎の方をゲストにお呼びしました。当日の様子をレポートします!

 1.宮城県在住外国人及びインバウンドの状況について

はじめに、MIAとSenTIAから、宮城県と仙台市に住んでいる外国人の人数や属性、インバウンドの状況などについて説明しました。
仙台市では、特に日本語学校などに通う留学生の人が増えていて、ネパールの人が外国人の中で2番目に多くなりました。また、東北大学が国際卓越研究大学になったこともあり、今後も留学生が一層増えていくだろう、と予想されています。
また、旅行で仙台に来る外国人(インバウンド)も増えていて、インバウンドでは台湾の人が40%を占めています。こちらも、今後も増加が続くと思われるので、観光客も考えた防災を進めていく必要がありますね。
■観光客などを想定した「仙台駅帰宅困難者訓練」の様子はこちら(SenTIAブログ)【報告】令和6年度 仙台駅周辺帰宅困難者対応訓練に協力しました

 2.外国人と防災 -行政・地域への取材を通して

次に、河北新報社の新聞記者の中澤様から、昨年、多文化防災をテーマに取材を行ったことについてお話いただきました。半年間にわたる取材では、東北の全77市を対象に、多言語ハザードマップの作成状況の調査などを行い、市によって対応状況に差があることや、そもそも、外国人住民と十分にコミュニケーションが取れていないことなどが浮かび上がったそうです。そのうえで、気仙沼市鹿折地区など、地域全体で多文化防災を進めている例などに触れながら、これからの多文化防災について、問題提起をいただきました。

 3.仙台の国際化を見据えた防災訓練の実施について

続いて、藤崎デパートの根本様から、東日本大震災当時のデパートの様子や、昨年の、東北大学の留学生を加えた防災避難訓練などについてお話いただきました。この訓練については、SenTIAブログでも紹介してきましたね。
■11/6防災訓練当日の様子(SenTIAブログ)【報告】藤崎デパートの防災訓練に参加しました
■11/29ワークショップ1の様子(SenTIAブログ)【報告】藤崎デパート&東北大学の防災ワークショップ1に参加しました
■12/20ワークショップ1の様子(SenTIAブログ)【報告】藤崎デパート&東北大学の防災ワークショップ2に参加しました
藤崎デパートでは、訓練に向けて、「やさしい日本語」の社内研修などを行いましたが、訓練に参加した留学生からは、やはり英語のアナウンスが必要である、という意見が多かったそうです(東北大学では、学内の共通言語として英語を使用しています)。根本様からは、これらの取り組みで得られた意見をもとに、次回の訓練(今年6月)を改善する予定である、とお話しいただきました。

 4.パネルトーク

最後に、会場の皆さんの意見も聞きながら、河北新報社と藤崎の取り組みについて話し合いました。「多言語ハザードマップを作っても、そもそも外国人住民の中には、自分の住所がわからなかったり、地図で自宅を見つけられなかったりする人が多い」「デパートの防災訓練には、留学生だけでなく、社会人の外国人住民にも参加してもらった方がいい。そのためには、平日でなく週末に行ってはどうか」など、とても有意義な議論だったと思います。
報告は以上です。参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

 ちなみに…

こんにちは。国際化事業部 もう1人の防災担当のCです。
当日はSenTIAの他にも、名古屋国際センターの方が「やさしい日本語 防災かるた」のワークショップを出展されていました。とても多くの人でにぎわっていましたよ!

SenTIAでは、外国人住民への防災啓発や、関係機関と連携して災害時の外国人支援体制の整備に取り組んでいます。
「多文化防災」の取り組みについては、下記のページをご覧ください。
(SenTIAウェブサイト)多文化防災 災害に備える
また仙台市は、大規模災害時に「仙台市災害多言語支援センター」を設置します。
センターはSenTIAが運営し、外国人被災者に必要な情報を外国語でお知らせし、外国語での相談に対応します。
「仙台市災害多言語支援センター」については、下記のページをご覧ください。
(SenTIAウェブサイト)仙台市災害多言語支援センター