子どもが病気になったら

公益財団法人仙台観光国際協会

資料提供:仙台市立病院救命救急センター
協力:特定非営利活動法人MIYAGIこどもネットワーク

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熱が出たら

発熱とは?

発熱とは、わきの下の体温が37.5℃以上のことをいいます。熱が上がるのは、体にウィルスや細菌が入ってきたとき、体がそれと戦っている証拠です。発熱自体悪いことではなく、体の抵抗力(免疫)をつけるにはむしろ大切なことです。そのため、熱が出ても、それだけですぐに病院を受診する必要はありません。高熱そのもので脳がおかしくなることはありません。受診の目安など、以下を参考にしてください。

ほとんどの病院は夜間・休日は診療していません。
次のような軽い症状であれば、夜間や休日の場合であっても、基本的に翌日の日中かかりつけ医で受診しましょう。

  • 少量ずつでも、水分・食事がとれている。
  • 夜は眠れている。
  • あやせば笑ったり、遊ぼうとする。
  • それほど機嫌は悪くない。
  • 高熱でぶるぶる震えることはあるが、意識はしっかりしている。

次のような症状になったら、平日日中であれば受診しましょう。
夜間・休日の場合は電話で相談してください。
夜間でも受診が必要な場合と、翌日の日中の受診でよい場合があります。

  • 水分・食事を全く受けつけない。
  • おしっこが半日くらい出ない。または色がいつもよりも濃い。
  • 生後3か月未満の赤ちゃんで、38℃以上の熱がある。
  • 体温が41℃を超えた。
  • 2~3分のけいれんがあった。
  • 急激な発熱と異常行動(ないものが見える、おかしな言動)がある。
  • かかりつけ医を受診しているが、何日も熱が下がらず、ぐったりしている。

電話後、すぐに受診しましょう。

  • 意識がない。
  • 「熱性けいれん」の症状に当てはまるけいれんを起こした。

一日一回(同じ位の時間)体温測定をして、子どもの平熱を知りましょう。

熱が出たときの対処法

体がぶるぶる震えていますか?
汗をかいていますか?

ぶるぶるしているときは、これから熱が上がっていく可能性があります。
このときは、子どもは寒さを感じていることが多くあるので、タオルケットや毛布をかけて温めてあげましょう。
汗をかいているときは、熱が上がりきったことが多いです。
体に熱がこもらないように、薄いタオルケットや毛布をかけてあげましょう。

体の冷やし方

子どもが嫌がらなければ、頭・わきの下・首周り・足の付け根などを冷やすことをお勧めします。
保冷剤を使用するときは、タオルやガーゼで包み、直接肌に当たらないようにしましょう。

「薬を飲んでも熱が下がりません」という質問がよくあります。

処方された薬を飲んだからといって、すぐに病気が良くなるわけではありません。
続けて飲むことで効果があらわれ、バイ菌と戦ってくれます。
そのため、薬を飲んでも熱が続くことも多くあります。
血液の中の薬の成分がある程度上昇するまで、脱水に注意して過ごす必要があります。

座薬・熱さましの使い方

水分・食事がとれていたり、機嫌が良く、眠れるときは無理に熱を下げる必要はありません。
むしろ、薬を使って熱を下げたのに、その後、再度熱が上がってくるということを繰り返すほうが子どもの体にとっては負担になります。
座薬、熱さましを使うのは、38.5℃以上で水分や食事がとれないとき、眠れないときに使いましょう。座薬・熱さまし自体は病気を治すものではありません。

熱性けいれんとは?

38℃以上の熱が急に出たときに起きるけいれんのことです。
5歳以下の子どもの3~4%にみられ、そのうち約1/3の子どもが何度か繰り返すといわれています。
未熟な脳細胞が、熱が出たことで刺激され、けいれんを起こします。

どういう状態になるの?

  • 多くの場合、両方の手足をピーンとかたくつっぱった後、両手・両足をガクガクふるわせます。
  • 目が上のほうを向き、唇が紫になることもあります。
  • 意識がなく、名前を呼んでも反応はありません。

起きてしまったらどうすればいいの?

発作は、多くの場合、2~3分程度でおさまり、長く続くことは稀です。

  • 周りにいる方は落ち着いて、子どもの衣服をゆるめ、顔を横に向けてあげましょう。
    周りにぶつかりそうな物があるときはよけてあげましょう。
  • 何時何分から何分間で、どんなけいれんかを観察しましょう。
  • けいれんを起こしたときは刺激しないのが一番です。
    大声で呼びかけたり、揺さぶったりすると、脳が興奮してけいれんが止まらなくなります。静かに寝かせてあげましょう。
  • 口には何も入れないようにしましょう。指やかませるものを入れると、かえって危険です。

こんなときは、電話後すぐに受診しましょう。

  • けいれんが5分以上続くとき
  • 意識を失ったまま、短い間隔で繰り返しけいれんが起こるとき
  • 全身のけいれんでも、一部分に強くけいれんがあるとき
  • 初めてのけいれん発作が1歳未満のとき
  • 意識が戻らなかったり、麻痺があるとき

※以前、熱性けいれんを起こしたことがあって、医師から対処法を指示されているときは、その指示に従ってください。